和音の種類②

「ドミソ」「シレソ」「ドファラ」の3種類の和音の指使いを覚えた生徒さんは、「メリーさんのひつじ」や「キラキラ星」の伴奏を移調する練習をしています。移調のハードルを下げたいので、こんな楽譜を使っています。

 

「ミ〜レドレ ミミミー」で始まる「メリーさんのひつじ」を「ラ〜ソファソ ラララ〜」で始めると、左手の和音は「ファラド」になります。

それでは「シ〜ラソラ シシシ〜」で始めるには? これは「ソシレ」の基本形から始まります。和音の掴み方はもう知っているので、「ソシレ」から「ファラレ」に指が条件反射のように開きますが、音を鳴らして「ん?」となります。

「なんか変だなって思った?ヒントは黒い鍵盤です」というとそばの黒鍵を色々探り出します。めでたく(?)ファのシャープを探り当てたら、ここでちょっとだけ説明タイムです。

「音の階段を練習したとき、ソから始まる階段ってファのシャープを使ったの覚えてる? ソシレで始まるメリーさんはファのシャープを使うんだよ。そうそう、シャープはひとつの場合もあるしふたつの場合もあるし、フラットの場合もあるけれど、どれを使うかは、ほら、楽譜のここにちゃんと書いてあるんだよ」と言って、生徒さんの楽譜をパラパラとめくって曲ごとに違う調子記号を見せます。

また黒鍵が含まれる和音を弾く場合は、手全体をぐっと奥の方へ置き打鍵すると弾きやすいこともこの機会に伝えます。

 

私が小学生の頃、桐朋の音楽教室に通っていたときは、ドイツ音名を使っていたので「ファのシャープ」は「Fis」、「ド」のシャープは「Cis」。。。と覚えました。シャープのつく順番も「ファドソレラミシ」、フラットは「シミラレソドファ」(シャープの逆読み)と呪文のように覚えました。ソから始まるト長調は「G dur」、ドから始まるハ短調は「C moll」。。。というように長調と短調合わせて24種類、全部覚えました。

これらを知識として知っていると楽譜の理解度は上がりますが、それを覚える労力とかかる時間を考えると今のところレッスンではそこまで踏み込んではいません。

国語や英語で言えば「文法」ということになるのでしょうか?これが名詞でこれが動詞、動詞にも活用形が色々あって、「未然 連用 終止。。。」とテスト前に覚えました。。。が、今、それが何かに役に立っているかというと「?」です(笑

限られたレッスン時間でどこまで音楽理論(楽典ともいいます)を教えるか? こういう理論的なことが面白い!という生徒さんも時々いますし、長い目で見た場合、知っておいた方がいいこともあります。ではどこまでどうやってかみ砕いて説明するか?

このあたりは、まだまだ私の課題です。