ハンガリーのピアノ教本③

〜 前回からの続きです〜

 

前回、話がちょっとそれてしまったので、ピアノ教本「ゾンゴラ・イシュコラ」にいったん戻します。

「ゾンゴラ・イシュコラ」の導入はハンガリーの、つまり自国のわらべうたを弾くことから始まります。 そして、シンプルなわらべうたをさまざまにアレンジして弾くうちに、子供たちは無理なくピアノという楽器に親しむことが出来ます。

最初は「ド」と「レ」の2音だけだったのが、「ドレミ」の3音になり、「ドレミファソ」と「ラシドレミ」の5音へと、音域がだんだん広くなっていきます。

 

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そしてユニゾンやオスティナートといった簡単な伴奏からステップアップした段階に進み、右手と左手がそれぞれ独立した旋律を持つ曲を弾くようになります。

ほとんどの曲の長さは8小節という最小の構成ながら、それぞれの曲に様々な音楽的要素がぎゅっと詰まっていて、私が幼少期に習った曲とは大違いでした。

日本では長い間、最初のピアノ教本と言えば「バイエル」だった思います。 「バイエル」・・・正直、音楽的に魅力があるとは言い難い教本です。

 

ピアノ教育を自国のわらべうたから始めるメリットは、次のようなものでしょうか。

① 実際に歌い遊んだことがあって、自分がよく知っているメロディーなので、すぐピアノで弾くことが出来る。

② 歌詞の意味から曲想が関連付けられること(明るくてはずむような感じなのか、穏やかでやわらかな感じなのか、など)。 曲想がわかれば、それにふさわしい雰囲気を出すためにどのように腕の力を抜いたり、指先の繊細なタッチの違いでどのように音色が違ってくるのかといった、音楽的なレッスン内容になること。

③ 歌詞の一節=ワンフレーズと捉え、いきつぎの箇所がすぐにわかるので、自然と流れるような演奏になること。

 

「ゾンゴラ・イシュコラ」で存分にピアノという楽器に親しみ、音楽を学ぶ楽しさを知った子供たちは次に、バッハやモーツァルトといったピアノの古典の世界に一歩足を踏み入れますが、その前にハンガリーではもうひとつ絶対に忘れてはならないピアノ教本があります。

 

ハンガリーを代表する偉大な作曲家バルトークが作曲した「ミクロコスモス」(全6巻)です。

 

〜つづく〜

 

 

 

〜中川ピアノ教室〜

千葉市花見川区作新台二丁目(八千代台駅より徒歩15分)

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