教え子M君の演奏会を聴いてきました。

昔の教え子のM君が市民吹奏楽団でコントラバスを弾いており、定期演奏会のご招待を頂きました。

私がハンガリーから帰国して初めてのピアノの生徒さんがM君でした。初めて会ったのは彼が小学一年生のときで、もうそれから20年余り、再会するのは10年振りです。立派な社会人に成長した彼は見上げるほどに背が高く、思わず昔の面影を探してしまいました。

市民吹奏楽団の演奏を聴くのは初めてだったのですが、前半のプログラムは吹奏楽のために作曲された曲、後半はクラシックのオーケストラ曲を吹奏楽のために編曲した曲で、とても興味深く聴きました。また、プログラムの中の一曲を団員でもある若い指揮者の方が指揮をなさったのですが、その方が指揮を振ると金管楽器の響きが一気に華やかになり、演奏をするのは同じメンバーなのに指揮者によってこんなにも違うのかと本当に驚きました。

いつも管弦楽や吹奏楽を聴くときはステージ全体を観ながら聴くのですが、今回はコントラバスに大注目して聴きました。M君は高校の部活でコントラバスを始めたというそうなのですが、そうすると楽器歴はもう10年以上になります。強い意志を持って音楽を続けてきた人だけが持つ雰囲気が演奏する姿から感じられて、ちょっと涙が出そうになりました。弓の扱い方やピチカートでの腕の使い方が音楽と一体していてとても自然で綺麗でしたし(演奏する動きが綺麗でなめらかでないと、本当に綺麗な音は出せません)、一音一音を大切に丁寧に演奏し、低音部を支える姿が本当に頼もしく見えました。

アンコールでの「ウェストサイドストーリー」の「MANBO!」では一転、とても楽しそうにリラックスして笑みを浮かべながらの演奏も良かったです。コントラバスでジャズとかを演奏するのも、なんか彼に合いそうだなぁと思いました。

私がこうして今、それなりに教え方の経験値を積んでレッスンをしているのも、M君との出会いがあったからです。「ピアノの先生」としての経験値をM君のおかげで積ませてもらった感があり、感謝しています。そうして立派に成長して、大人になっても音楽を楽しそうに続けている彼の姿を見て、私ももっと日々がんばろうと心から思ったのでした。

ご招待、本当にどうもありがとうございました!!来年もぜひ聴きにいきたいと思います。

 

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