フォルテは800g???
最近オンラインコースに入会して下さったAさん、主婦でありお仕事もされていて日々お忙しい中、ピアノ上達への探究心にこちらが学ぶことも多いです。
私がレッスンで言った「指に重さをかける」という意味が今ひとつピンとこなかったということで、ご自分でネットを検索してあるピアノ教室のサイトに辿り着いたそうです。
使用するものはなんと「ハカリ」!?
AさんからLINEで転送されたサイト内の動画をみて「これは生徒さんにプラスになるかもしれない!」と思ったので、早速ホームセンターでアナログのハカリを購入しました。
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「小さな音は、ネコさんが足音を立てないで歩くイメージ」「ヒソヒソ声でおしゃべりする感じ」
「大きな音は元気良くやっほーって、遠くまで聞こえるように」「足跡をくっきりつけるイメージ」などなど、音の強弱に関しては色々な例えで生徒さんに話してきましたが、ハカリを使って実際に体験してもらったところ生徒さんのタッチと音色が明らかに変わりました。変わっただけでなく、本人自身がその違いをはっきり実感出来たことが何より大きな収穫でした。数字や「ハカリ」の針の動き方によって、その違いを可視化するということは、理解を大きく助けるということが改めて良くわかりました。
「フォルテの音を出すときは800gくらいかなぁ。ピアノの時は200gくらい? やってみる? スタッカートの時はハカリの針がビョンビョンって動くけど、レガートのときの針の動きを見てみて」と言って私がお手本を見せたあと、生徒さんにハカリに指を乗せて試してもらい、その感触のままピアノで音を出してみると、なんともなめらかなレガート!(綺麗なレガートで弾くって、とてもとても難しいことなのです)
生徒さん自身も音色の違いがはっきりわかったようで「なんか全然違う!」と驚き、「じゃ、これからその音は200g、ここは800gで弾いてね!って言えばいいね」と笑い合いました。
基礎力がしっかりとついた生徒さんは、より表現豊かなピアノ演奏へと次のステップに進みます。その次なるステップに「ハカリ」は頼もしいレッスンの相棒になりそうです。