「ソルフェージュ教室ラソラ」のレッスンをピアノ教師が受けてみた

先日、この春休みのメーンイベント、楽しみにしていた「ソルフェージュ専門教室ラソラ」のY先生によるソルフェージュレッスンを受けました。ソルフェージュなんて学生のとき以来です。

昔々、桐朋の学生だった頃のソルフェージュの授業では、聴音(先生がピアノで弾くメロディーやハーモニーを聴いて楽譜にする)の前に、必ず先生がこんな風に言いました。

「ト音記号、A-dur、4分の4拍子、8小節」

これを聞いて、何も書いていない五線譜にこれから聴き取るメロディーの枠をあらかじめ準備するわけです。

が、Y先生のメロディー聴音はノーヒント。先生がピアノで弾くメロディーを聴いて、何拍子の曲なのか、何調なのか、そして何小節なのかを聴いて考えます。ここですでにものすごい集中力が要求されます。

「えーと、調子はC-dur(ハ長調)、三拍子だけど4分の3ではなくて8分の3? 小節数は16小節+アウフタクト?」

「正解!」ここまでは順調。

次に先生の弾くメロディーを聴きながら、五線譜に音符を書いていきます。8分の3拍子はリズムが細かいので一瞬考えましたが、完成。

どこかで聞いたことのあるメロディーだと思ったのですが、なんとベルリオーズ作曲「幻想交響曲」第二楽章【舞踏会】のワンフレーズなのでした。聴音の課題に、オーケストラの名曲のワンフレーズを使用するのにまず感動。聴音の課題が美しいメロディーだと、聴き取りもがぜん楽しくなります。

次の課題は、ヴィヴァルディ作曲「四季」の中から「春」の二曲目「Largo」。CDを聴きながらバイオリンのゆっくりなソロパートを聴き取って五線譜に書いていくというもの。聴音といえばピアノの音を聴き取るものとばかり思っていたので、バイオリンの音を聴き取る聴音にとても驚きました。

CDから流れるメロディーを聴いてこの曲は何調か、何拍子かを考えます。拍子はすぐわかったのですが、調子は不正解(汗 d-mollかと思ったのですが、半音低いcis-mollでした)ピアノではなく、バイオリンの音だとなぜかドレミがわかりにくく(Y先生によるとピアノの調律は平均律、バイオリンの調律はピタゴラス音律、ちなみにリコーダーは純正音律、またオーケストラのピッチA音も現代と比べて昔は微妙にヘルツが低いので、ピアノの音を基準に考えるとやや音が取りにくい)先生にヒントを頂きながらなんとか聴き取って楽譜が完成し、花マルを頂きました!

書き終わってから、実際の「春」のスコア譜を見ます↓

そしてピアノでメロディーを右手で弾き、低音部を左手で弾きながら和声の進行に注目。次にcis-mollをc-mollに移調して弾くという脳内が沸騰するような内容のレッスンでした。

けれども学生時代に桐朋で受けた面白みのないメロディー聴音よりも、次から次へ展開されるレッスンは知的好奇心を刺激され、難しいけど面白い!もっとやってみたい!もっと知りたい!と思うレッスンでした。

このあとに欲張って和声進行についてのレッスンとリコーダーのレッスンも受け、頭も耳も心も大満足したのでした。和声は桐朋に通っていた頃ひと通り学んだはずなのですが、当時は大の苦手だったせいか全く身に付いておらず、なのに今頃になってなぜか学び直したいと思うのが我ながら不思議です。和声の習得にはセンスと理論と両方が必要なんだそうですが、センスの欠ける私はY先生から教わった練習方法で独習したいと思います。

今回、Y先生からソルフェージュを改めて学ぶ事で「音楽」の奥深さ、面白さに今更ながら気付きました。「音楽」というと、楽器の演奏技術の習得に目がいきがちですが、「音楽」の理論をきちんと学ぶ事で読譜力が増し、それが楽器演奏の面白さにつながるソルフェージュ、あなどれません!

生徒さんのソルフェージュレッスンももっときめ細やかにしなければ。。。と強く思いました。

Y先生、本当にどうもありがとうございました!

またぜひ二回目のレッスンをお願いします!!

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