視線
この夏の間に4冊のピアノ指導書を購入して読みました(インプットは大切です)
そのうちの一冊は、発達障害の子どもたちのピアノレッスンを専門に研究、実践なさっている先生の著書です。
ピアノが上手に弾けるようにという想いはもちろんですが、社会に出たときのソーシャルスキルをレッスンの中で育んでいけたらという先生の熱い理念が伝わってきました。
ピアノ云々の前にまずは視線を合わせての挨拶、自分の感謝の気持ちを相手に伝える「ありがとう」の言葉の大切さなどなど、とても考えさせられました。
ここまで気を配るのかと感銘を受けたのが、リズムや音符読みの問題プリントをテーブルの上に置いてリズムを叩いたり音名を答えさせるのではなく、プリントを立てて置くことが重要だという部分。確かにピアノの楽譜は譜面台に立てて置きます。譜面台に立てに置かれた楽譜と自分の手元を交互に行ったり来たりする視線の動き(最終的には手元を見ないでも鍵盤の位置関係をある程度把握することが求められます)に慣れることはピアノを弾く上で重要であり、これは学校生活では黒板の字を見ながらノートに字を書くという視線の動きに繋がっているというのです。
確かに机に置かれたプリントを下を向いて読む感じと、視線を上げてプリントを読むのでは、感覚が全く違います。
さっそく譜面立てにプリントを置いてリズム練習をしてみた年中さんのA君、「わぁ、なんか映画館みたいでいい!」という可愛らしい感想に思わず癒されましたが、たかが視線、されど視線・・・のようです。
勉強になりました。