生徒の立場
月に2回、ジャズピアノ教室に通ってレッスンを受けています。普段は「ピアノの先生」ですが、このときは私も「生徒」になるわけです。
「先生」と「生徒」の立場が逆になると、見えてくるものが全く違ってきます。ジャズ理論やジャズピアノの演奏のニュアンスのアドバイスなど、レッスンで教わることは新鮮でとても興味深いことばかりですが、初めて学ぶことなので一回では理解出来ないこともあるし、思うように弾けない事もあります。
ということは、私の生徒さんたちにとっても、ピアノのレッスンは毎回新しいことを学ぶ場なのだなぁと、当たり前のことだけど意外と忘れがちなことに気付きました。新しいことは一回の説明で頭にすんなり入ったり、その場ですぐ上手に弾けるわけではなく、繰り返し繰り返し反復してやっと身に付くものだということを、自分が生徒になってみて改めて実感したわけです。いちおうピアノを長年弾いてきた私でさえそう思うのですから、まだまだ小さいピアノを始めたばかりの生徒さんならなおさらですよね。気長にコツコツと続ける事が上達の秘訣です。
お盆休みを挟み久しぶりのレッスンにやってきた年長さんのHくん。幼稚園で遊んだことがあるという「なべなべ」のわらべうたの楽譜を「一緒に研究しよう!」という内容のレッスンに準備したのがこちらの教材。
拍を数える、リズムを読む、拍を数えながらリズムを叩く、音名で音符を読んでみる。もう、わかっているだろうからと省略するのではなく、ひとつひとつ一緒に考えたあと「それじゃ、音の高さを違えて、リズム通りに歌ってみるからまねっこしてね」と言ってみると、音符を指で追いながら上手に歌えました。
楽譜を見ながら歌えたら(つまり音符とリズムを理解したら)、やっとピアノの前に座ります。
「ピアノの上からラの音を見つけてね」
「見つかった?指の番号は何番て書いてある?そう、2番だね」
ここでもひとつひとつ一緒に確認し、わからないような表情をしていたら言い方を変えてもう一度説明をします。
面倒くさいと思ったことは、一度もありません。なぜなら、この方法がいちばん確実な近道だからです。
レッスンの最後に「ピアノでなべなべが弾けて、楽しかった〜!」と言ってくれたHくん、そう言ってくれて私も嬉しいです!