挨拶について②(ハンガリーで思ったこと)

前回の続きです。

そういえば、ハンガリーでカティ先生のレッスンにやって来る子供たちはみんな「こんにちは!」と、とっても元気良く教室に入ってきました。

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でも、レッスン前に子供たちが先生に対して「お願いします」に相当する挨拶をしていた記憶がありません。レッスン後に「ありがとうございました」と言っている子も見かけませんでした。

ひとこと断っておきますが、ハンガリーの子供たちは総じてお行儀が良く、年上の人に対しての丁寧語をきちんと使い分けていますし、街中でだだをこねたり泣きわめいている子を見かけた覚えがありません。街中といえば子供だけでなく散歩中の犬も本当にしつけが行き届いていて、静かに飼い主に寄り添っていました。散歩中に飼い主を引きずったり、吠えている犬も全くと言っていいほど見たことがありません。が、う◯ちは路上に放置です。この感覚はちょっと信じられません。ハンガリーの不思議のひとつです。

・・・脱線してしまいました。

思い返すと私がカティやマールタの家にレッスンに伺ったときも、レッスン前に「お願いします」に相当するハンガリー語がないので、なんとなくモジモジするようなほんのちょっぴりの違和感を感じた記憶があります。

何かを始める前の「お願いします」、終わったあとの「ありがとうございました」は日本独自の挨拶なのでしょうか?

ともあれ「挨拶」がきちんと出来て損をすることはないはずなので、子供たちに接するひとりのピアノ教師というより、ひとりの大人として挨拶について今一度気をつけようと思いました。

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ハンガリーでの挨拶に関する記憶をもう少し辿ってみると、日本の「いってらっしゃい」「いってきます」「おかえりなさい」「ただいま」「いただきます」「ごちそうさま」に相当するハンガリー語もありません。ハンガリーでこれらの日本語の言葉の持つ美しさというか優しさに改めて気づきました。

お店の店員さんが使う「いらっしゃいませ」に相当するハンガリー語もありません。そのかわりお客さんが店に来れば「こんにちは!」、お客さんももちろん「こんにちは!」とお互いに笑顔で挨拶を交わします。

お店を出るときは当然どちらも「さようなら!」クリスマスの時期には、「良いクリスマスを!」という挨拶を店員さんとお客さんが交わします。日本のように無言で店内に入り、無言で出ることありません。

他にもクシャミをすると、たまたま近くにいただけのまったく知らない人同士でも、ほとんど反射的(笑)に「お大事に!」と言ってくれます。

こういう習慣はなんだかとってもいいなぁと思ったことを思い出しました。

国によって挨拶の仕方や感覚が違うのは興味深いですね。

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