小澤征爾さんの訃報
日本が世界に誇る偉大な指揮者、小澤征爾さんの訃報にしばし茫然としてしまいました。
お身体の具合が悪く、ここ十数年は表立った演奏活動もほぼされていませんでしたが、いつかまた復活されると信じていました。
私がクラシック音楽を本気で志すと決めたのも、小澤征爾さんの影響が計り知れないほど大きいです。留学時代のエピソードを綴った「ボクの音楽武者修行」という本を読み、小澤征爾さんと同じ音楽高校、同じ音楽大学で学びたい、そしていつかはヨーロッパ留学をしてみたいという気持ちを持ったのは中学三年生のときでした。
その後、小澤征爾さんが学んだと同じ音楽高校のピアノ科になんとか入学することが出来、在学中に小澤征爾さんの特別講義が校内のホールでありました。生で拝見する小澤征爾さんの自然体で気さくでユーモア溢れるお人柄にますますファンになりました。
演奏会にも何回も足を運びました。シューベルトの「未完成交響曲」、バッハの「荘厳ミサ曲」、ソプラノ歌手ジェシー・ノーマンとの共演などなど何十年経っても鮮やかに記憶に残っており、音楽に全身全霊を捧げるということはこういうことなのだと毎回衝撃を受けました。
学生時代は新日フィルの定期会員だったので、東京文化会館の最上階で何度もその音楽を生で堪能することが出来たのは、今となっては得難い財産です。
ご冥福を心よりお祈りいたします。合掌。