奇蹟の「ラ・カンパネラ」
かねてから聴きたいと願っていた念願のフジコ・ヘミングさんのソロコンサートを、やっと聴くことが出来ました。
フジコ・ヘミングさんの代名詞とも言える「ラ・カンパネラ」はもちろん、素敵な曲ばかりが並ぶプログラムでした。
お歳はなんと89歳・・・・・!!!
杖を突きながらスタッフの方の手引きで、ゆっくりゆっくりと舞台に登場したその姿に、すでに目頭が熱くなってしまいました。
そして一旦、椅子に腰掛けると、前半後半とも一度も退場せずにプログラム曲をお弾きになりました。
これだけのプログラムを本当に弾けるのだろうか?と、最初は心配していたのですが、演奏は最後までナチュラルで凛と澄みきっていて、温かくて儚くて、涙が止まりませんでした。
最後にマイクをお持ちになって「もう耳もほとんど聞こえないんです。足もしびれているし、こんな老いぼれのピアノを聴きにこんなに沢山の方が集まって下さり、本当にありがとうございました。アンコールにトロイメライを弾いてお終いとさせて頂きます」とご挨拶。
童女のような輝く笑顔で手を振って、スタッフの方が運んできた手押し車につかまってゆっくりと退場。。。。
演奏はもちろん、もう存在そのものが奇蹟のようなお方でした。
ピアノでこんなに心満たされたのは初めてかもしれません。
89歳のフジコさんの素晴らしい演奏を聴いて、自分もこれから歳を重ねていく前向きな希望を抱きました。
今年の3月にブラスチラバで行われた同じプログラムコンサート映像がありましたので貼っておきます。