初見力②
【初見】とは、初めて目にした楽譜をざっと眺めたあと、ピアノで弾くことをいいます。もちろん、いきなり両手で弾きます。それもつっかえつっかえで最後まで辿り着くのではなく、テンポを保って弾くことが大前提です。音楽高校や音楽大学でも、入試の課題に【初見】をするところは多いと思います。【初見力】=【読譜力】+【ピアノ技術力】と言ってもいいかもしれません。
では初めて見る楽譜から、まず何を読み取るかというと
①拍子:3拍子なのか4拍子なのか?(もちろん他の拍子の場合もあります)
②調子記号:フラット系なのかシャープ系なのか? どの音を黒鍵で弾けばいいのか?(音楽を専門にするならば フラットひとつがF-durなのかd-mollなのか調性もわからなくてはなりません)
③全体のテンポ感や曲の雰囲気:8分音符や付点音符など細かいリズムやスタッカートなどの記号があれば、ある程度のテンポで元気よくのイメージ。逆に四分音符やスラーが多ければ、ゆったりしたテンポで流れるようなイメージなど、音符の連なりから曲のイメージを想像します。
④曲の構成:基本的にほとんどの曲が4小節でひとフレーズになっているので、A-B-A-Bなのか、A-B-A-Cなのか、構成を見極めることが出来ればベスト。
ピアノを学ぶ小さい生徒さんは音符をひとつひとつ見ることに精一杯で「木を見て森を見ず」状態なので、楽譜全体を眺める力をつけてあげたいと思っていますが、楽譜が読めても10本の指が思い通りに動くかどうかは、また別問題です。ピアノって難しい。。。
ちなみに私は、初中級〜中級レベルの曲であれば、知らない曲であっても2ページの曲を5〜10秒も眺めれば楽曲を把握して、生徒さんにお手本としてその場で弾くことが出来ます。
「先生、この曲知ってるの?」
「知らないよ。今見て、こんな感じの曲かなぁと思って、初めて弾いてみたんだよ」
「えー、先生すごーい!」
いえいえ、これは長年の訓練の賜物なのですよ。