ピアノリサイタル
今月はお二人のピアニストのリサイタルに出掛けるという、なんとも贅沢をしてしまいました。
おひとりは辻井伸行さん。盲目のピアニストとして世界中でご活躍されていますが、テレビや動画を通して視聴したことはあっても、その演奏を目の当たりにしたのは初めてでした。目が見えない状況で、どうやって譜読みをして、どうやって練習して、そしてどうしてミスなく弾けるのか?という疑問が全て吹っ飛んでしまうほど、包み込まれるような演奏そのものが本当に素晴らしいものでした。
今、人気のカプースチン作曲の8曲の練習曲は、圧巻のひと言でした。そのうちの一曲を、ひーひー言いながら練習している自分が恥ずかしくなってしまうほど、超難曲を力強く見事に弾ききり、人間って凄い。。。というより、辻井さんはもう神様だな、と思いました。
もうおひと方は、牛田智大さん。12歳で天才少年としてCDデビュー、その後も演奏家としてのキャリアを積み、今年でデビュー11周年。シューベルト、シューマン、ブラームスのソナタという、あまり演奏会のプログラムには載らないような、ある意味、通好みの選曲でした。驚いたのが、弱音の美しさ。こんなに美しい弱音で音楽を奏でることが出来るピアニストは他にはいないのではないでしょうか?緻密に練られた繊細なタッチ、ピアノに真摯に向き合う姿勢が一音一音から感じられて、聴く方としても姿勢を正して、その音楽を受け取りました。
アンコールでのモーツァルトのソナタもうっとりするほど美しく感激していたら、その次のアンコール曲はバッハ=ブゾーニの「シャコンヌ」!これは、私が音楽高校の卒業試験で弾いた思い出の曲です。当時の自分の演奏の未熟さがまざまざと思い出される中(汗)、牛田さんの渾身の演奏は心に響く本当に素晴らしいものでした。
牛田智大さんのTwitterより
第一線で活躍しているプロのピアニストはやっぱり凄い、そして生で聴く演奏はやっぱりいい、、、勉強にもなるし、刺激にもなるし、何より心が満たされます。これからも機会を見つけて、演奏会に足を運ぼうと思います。