「高い音」と「低い音」
大人は無意識のうちに「高い音」「低い音」という言い方をしますが、プレ・コースの小さい生徒さんにはちょっとした注意が必要です。
例えば1オクターブ違いのハンドベルの音を交互に聞かせて、「ふたつの音の何が違うと思う?」と聞いても、音の違いを「高い」と「低い」で言い表すことを最初から知っている生徒さんはほとんどいません。
わらべうたの始まりの音の高さを変えてふたとおり歌ってみて、「同じ歌だけど何が違った?」と小さい生徒さんに聞いてみても、うまく言葉で表せないようです。確かに目には見えない「音」を「高いか低いか?」と聞いてもピンとこないのかもしれません。
いちばん多い答えが「音の大きさが違った」という答え。「低い=大きい」「高い=小さい」というわけです。確かに低い声を出すくまさんは大きくて、高い声を出す小鳥さんは小さいですよね。でも残念ながら不正解です。
不正解ながら「お!」と思った答えは、「声がきれいになった」という答えです。高い音域で歌ったとき、裏声になったのでそう言い表したのでしょう。
「音」は高い、低いで言い表すんだよ。。。ということをよりよく理解してもらうにはどうしたらいいかなぁと考えていて、「あー!!これがいいかも!」とひらめいたのが「スライドホイッスル」です。
その名の通りホイッスルにスライドする棒がついていて、吹きながらその棒を上下させるとひゅ〜〜〜とユーモラスな音が上下します。棒を微妙に小刻みに上下させると、子どもたちに人気の妖怪が飛ぶときのヒュルヒュル〜〜という音が出るので、みんな大喜びです。
これでドレミの音程を出すのは至難の業ですが、音の高低を聞いてわかってもらうにはピッタリです。
「高いところからすべり台で滑ってくる感じ」
「エレベーターで下から上へすーっと上っていく感じ」。。。という答えを引き出せたところで、ふたつのベルの音を聞きくらべてもらいました。
「さあ、ふたつのベルの音の違いは何でしょ〜か?」
「音の高さがちがう!」
大正解!!